常に挑戦し続けるレコルタン・マニピュラン
シャンパーニュ地方最南部、コート・デ・バールのランドルヴィル村にて、1737年創業のレコルタン・マニピュラン(※)。従業員は6名、収穫はすべて手摘みで行う家族経営のシャンパンメーカーです。
丁寧に生産されたワインは年間45,000本しか生産されない幻のシャンパン。日本では、まずお目にかかれない一本です。通常のシャンパンに使われる白葡萄ではなく、黒葡萄のみを使うことで、他にはない、ふくよかでコクのある味に仕上がっています。口中に広がる華やかな香り、広がる余韻、爽やかな後口は絶品。
フランス現地では、個人消費者に販売されることから非常に希少なシャンパンとされています。
※シャンパーニュの小規模自家栽培・醸造メーカーで販売も行う生産者
- ルネ・ジョリーの畑
- 年に45,000本の希少なシャンパン
地球のために、生産者としての責任と取り組み
ブドウの栽培のための土作りから始まり、シャンパーニュの製造、販売までをおこなうからこそ気づくこと、責任を強く感じているルネ・ジョリー。ピエール・エリック氏は今まで誰も気にもとめていなかったミュズレー(シャンパンのコルク栓の上にかぶせる金属製のフタ)や栓をとめるためのワイヤーに着目。配送のための箱も強度を保ちながらも可能な限りスマートなものに変更。伝統的な製法を守りつつも未来のために、できることを常に探しています。
■ピエール・エリック氏からのメッセージ
皆さん、こんにちは。ご存じですか?この地球上では1年間に40億本ものボトルが塞栓されているんです。 今日はミュズレーについてお話ししたいと思います。
ご存じの方も多いと思いますが、世界中で生産されている発泡性飲料に使われるミュズレーをおさえるためのワイヤーは4脚で構成されています。
フランス、イタリア、スペインそしてドイツをメインにシャンパン、スパークリングワイン、ビールなどに使用されています。
私は15年前、環境に配慮した取り組みとしてワイヤーを3脚にできないかと考えました。
1本のボトルに使われるワイヤーは19cm、もし世界中の同業者がこの方法を取り入れると
なんと1年間で760,000kmものワイヤーが節約できる計算になります。相当な量ですよね。
当初、私が考案したのはワイヤーは3脚、ミュズレーはプラスティックのタイプでした。
ミュズレーの素材は金属のほうが見た目が良いのは一目瞭然なものの、成形に1300℃のエネルギーが必要です。一方、プラスティックの成形は200℃でいいんです。つまり92%の省エネになります。
金属製のミュズレー1つを作るエネルギーでプラスティックのミュズレーは9つ作れます。
相当な量のエネルギー削減になると思いませんか。
当時、3脚のミュズレーを作っているところは皆無でした。地元の業者さんと1年半かけて、話し合いを重ね、独自の機械を作りました。そしてそれから2年間、自社のシャンパンボトルで実験。主な取引先へ出荷し、問題がないか、皆さんの反応はどうかを慎重に見極めました。
そのような取り組みをしているとシャンパーニュ地方のランスにあるキャップやコルクを製造するMaison Melan Moutet社がこのプロジェクトに賛同し、私のアイデアを採用してくれたのです。
同社は長い時間をかけて多大なリサーチと試行錯誤を重ね、ついに費用効果と市場での可能性を兼ね備えた3脚が完成。ついに3脚ミュズレーの ブラン・ド・ノワール ブリュット を正式にリリースすることができました。長い道のりではありましたがこうして完成し感無量、誇りに思います。
エディシオ のミュズレーはファイバーカーボン製。これもルネ・ジョリー独自のもの。ちなみにエディシオ以外のミュズレーにはアルファベットが書かれていて、全て集めるとRené Jollyと揃います。
ルネ・ジョリー社ではシャンパーニュの味わいについて歴史を守っていますが、常に革新を目指します。
(文責:オリジナルを元に有限会社カリテ・エ・プリに帰属します。無断転載は固くお断りいたします)